必ず押さえておきたい世界の名画7選
- Tobias Krueger
- 2024年6月24日
- 読了時間: 8分
更新日:2024年7月31日

アートの歴史はとてつもなく長く深いもので、どのような時代においてもアーティストが作品を残してきています。
無名か有名かに関わらず、アートに触れることで自分の興味関心が広がるきっかけができますし、部屋やオフィスなどに絵画を飾ることは、インテリアとしても息抜きや癒しの時間としても役立ちます。
欧米においては、そもそもアートはエリート層での必須教養として捉えられており、最近は絵画などのアート作品鑑賞を社員教育で取り入れる日系企業も出てきました。グローバルで仕事をする場合には、日本人以外とのコミュニケーションも増えますが、アートは共通言語としても機能しています。
そこで今回の記事では、ビジネスシーンの雑談でも役立つ、押さえておきたい世界の名画を7つご紹介します。
1.レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」

最初にご紹介するのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品「受胎告知」です。
レオナルド・ダ・ヴィンチは、絵画・彫刻・建築学をはじめとして、力学・科学・音楽・数学・工学・文学・解剖学・地質学・天文学・植物学・執筆・歴史学・地図製作を含む幅広い分野で活躍したルネッサンス期のイタリア人の博学者ですが、世界的に有名な画家として知られています。
誰でも一度は、世界で一番有名な絵画と言っても良い「モナ・リザ」や「最後の晩餐」など、有名なダ・ヴィンチの作品を耳にしているのではないでしょうか。
あるいは、学生時代の教科書などで作品を見たことがあると思います。
そんな彼の「受胎告知」は、新約聖書内にあるルカの福音書において、大天使ガブリエルがマリアにイエスキリストの受胎を告知しにきたシーンを描写したものです。
ルネサンス期には宗教画で受胎告知をテーマに作品を描く画家が複数存在しましたが、この作品はダ・ヴィンチの実質的デビュー作として知られており、遠近法を用いた正確さを持ち合わせているのが特徴です。現在はイタリアのフィレンツェにあるウフィツィ美術館が所蔵しています。
2.ギリシャ神話作品「ヴィーナスの誕生」

サンドロ・ボッティチェリは、イタリア人のルネッサンス初期において、最も優れた芸術家のうちの1人として知られています。
この「ヴィーナスの誕生」はボッティチェリの最も有名な作品で、前述した「受胎告知」と同じくウフィツィ美術館が所蔵しています。
この作品が生まれたきっかけは、親しいパトロンであるメディチ家だと言われています。
作品のモチーフはギリシャ神話「海より出ずるウェヌス」であり、大人の女性として海から現れ、岸に到着する女神ヴィーナスが描かれています。裸体のヴィーナスは、神の愛であるネオ・プラトニズム(新プラトン主義)の思想の表現であると考えられているのも特徴です。
生涯のほとんどをフィレンツェで過ごしたボッティチェリですが、神話的な絵画のほかにも、幅広い宗教的な絵画や肖像画を描いたことでも知られています。
3.ヒエロニムス・ボスの祭壇画「快楽の園」

ヒエロニムス・ボスはルネサンス期ネーデルランド(現在のオランダ地域にあたる)の画家です。初期フランドル派の代表的画家として知られています。
聖書に基づいた寓話や概念をモチーフにした作品を多く生み出した画家ですが、この「快楽の園」という祭壇画は、三つのパネルが観音開きになっている異端な作品であることから、絵画の目的が何だったのか現在も議論され続けています。
ボスの生涯については記録が少なく、どのような生い立ちや過ごし方だったのかはあまり明らかにされていません。
悲観的で怪奇的な作風が魅力であり、個性的な画家として世界的に認められています。なお、この作品は現在スペインのプラド美術館が所蔵しています。
4.ピーテル・ブリューゲル「バベルの塔」

ヒエロニムス・ボスと同じく初期フランドル派の有名画家として挙げられるのが、ピーデル・ブリューゲルです。宮崎駿監督のジブリ映画「天空の城ラピュタ」を彷彿とさせるこの作品は、ブリューゲルの代表傑作と言われています。
彼は、謝肉祭や四季の景色など農民の風俗を描くことが多く、それらの題材で大判の作品を生み出した先駆者と考えられています。ブリューゲルの一族は他にも画家を輩出しており、作品の特徴や親族との区別を兼ねて「農民ブリューゲル」とも呼ばれていたそうです。
この「バベルの塔」では、従来の作品傾向からは珍しく旧約聖書の物語を題材としており、地上にいる単一民族である人間が塔を建設する様子を描いています。
聖書の物語は、ノアの洪水が起きたあと、おごり高ぶった人間が天まで届くバベルの塔を築き、そのことに腹を立てた神が人間の言葉を混乱させ、塔の建設を中止させたという内容です。
現在でも、地球上の人間が異なる言語を話すのはバベルの塔の事件があったからだという説もあります。「バベルの塔」は、現在はオーストリアのウィーンにある美術史美術館が所蔵しています。
5.絵だけが有名?フェルメール「真珠の耳飾りの少女」

ヨハネス・フェルメールは、主に中流階級の家庭内での生活を描いたネーデルランド(現在のオランダ地域にあたる)の画家です。
地方画家としてはまずまずの成功を収めましたが、生活が厳しかったのと、描いた絵画がそこまで多くなかったため、フェルメールの死後は家族が負債を抱えることになりました。
日本でも数年に一度はフェルメール展が開催されていますが、その中でも有名な作品のひとつが「真珠の耳飾りの少女」です。
この絵は17世紀のもので、特定のモデルを描く肖像画というよりは、一般的な顔が描かれる「トローニー」というジャンルだと言われています。
ヨーロッパの少女でありながら東洋のターバンを身につけ、非常に大きいサイズの真珠のイヤリングを身につけている点が特徴です。少女の謎めいた雰囲気から、「北方のモナ・リザ」とも呼ばれています。
この作品について、アメリカの絵画購買プラットフォーム「Meural」の2017年の調査では、絵は見たことがあっても、この絵を描いた画家の名前を言い当てられないと回答した米国人が82%にのぼったそうです。作品が有名でも画家が意外と認知されていないのは残念ですね。
(参考記事)
82% of Americans Don’t Know Who Painted “Girl with a Pearl Earring,” Study Says(HYPERALLERGIC、2017年1月25日記事)
なお、現在「真珠の耳飾りの少女」は、オランダにあるマウリッツハイス美術館が所蔵しています。
6.激しいタッチが有名なゴッホの「ひまわり」

フィンセント・ウィリアム・ファン・ゴッホはオランダ人のポスト印象派の画家です。
西洋美術史において最も有名で、絵画の世界に影響を与えた芸術家の一人です。ゴッホはたった10年の間に約2100もの作品を生み出す偉業を達成しており、うち860点は油彩画となっています。
彼の作品はどれも色彩が大胆かつ衝動的で、表情が豊かな筆づかいが特徴です。精神的な病と貧しさに苦しみ、唯一の理解者である弟テオの支えによって画家に専念していたことが知られています。
ゴッホの代表作品のひとつに「ひまわり(12本)」があります。
彼はよく絵のモチーフにひまわりを用いており、この作品以外にも複数のひまわりの作品が存在しています。外で育っているひまわりではなく花瓶に生けられたひまわりを描いていますが、途中で自然から切り離されたために開き切らなかった花の様子や、枯れていくひまわりなど、どこか物悲しい花の一生が感じられます。
用いられている黄色は新しく発明された顔料で表現した色彩になっており、色の使い方という意味でも革新的な作品です。
現在この作品はドイツにあるノイエ・ピナコテーク美術館が所蔵しています。
7.ゴッホと共同生活経験もあるゴーギャンの「こんにちは、ゴーギャンさん」

ポール・ゴーギャンは、フランスのポスト印象派の代表的な画家であり、ゴッホと並んで、印象派時代の絵画を語る上では必ず登場すると言っても間違いない存在です。
ゴーギャンはゴッホとはまた違った大胆な色使いが特徴ですが、加えて、自己に内在する表現がアウトプットされている点も写実的な表現が中心のゴッホとよく比較されます。ゴーギャンは木製彫刻家でもあったことから、原始主義と呼ばれる19世紀後半の絵画と彫刻の西洋美術運動を踏まえた極端な表現を好み、体系的に作品に落とし込んで成功しています。
この「こんにちは、ゴーギャンさん」は、同じくフランスの画家ギュスターヴ・クールベが描いた作品「こんにちは、クールベさん」に応じて制作されたオリジナル作品です。
「こんにちは、クールベさん」で描かれていた19世紀での芸術家の地位の上昇を受けて、ゴーギャンの「こんにちは、ゴーギャンさん」でも同様の考えを表現しており、絵の中の自分を芸術的殉教者として設定しています。
現在この作品はチェコのプラハ国立美術館で所蔵しています。
なおゴーギャンは、わずか2か月ではありますが、ゴッホと共同生活を送ったことで有名です。
お互いに刺激を受けながら創作活動に明け暮れた時間もありましたが、後半はゴッホがゴーギャンの作品に対して意見を述べるなど揉めることが増え、最終的にはゴッホの耳を切り落とす「耳切り事件」が起きてしまい、関係は絶えてしまったそうです。
名画を知ることは世界の歴史を知ること
今回の記事では、一度は耳にしたことはあるはずの画家を7人取り上げて、それぞれの画家や作品の特徴をご紹介しました。名画を知ることは世界の歴史を知ることにもつながりますし、間違いなく教養のひとつとしてビジネスにも役立ちます。
本文中ではご紹介できなかった作品もたくさんありますので、ぜひご自身の心に響く作品を探してみてください。
株式会社ジェラルドでは、国内外問わず素晴らしい名画を知るきっかけや楽しみ方を「ArtLiam」にて提供しています。アートを楽しみたい方はぜひお問い合わせください。
執筆者:MMC Lab.茂木美早穂

コメント